電子私記 電子私記

少し未来の2XXX年。
スマートフォン、タブレットといった電子機器は、
もはやただの機械ではなくなっていました。

日々のサポートから話し相手まで出来る、人型電子機器——
それが、当たり前のように出回っていたのです。

しかし、人型電子機器の私達……
11らは、ある日突然未来の世界に飛ばされてしまいました。
未来の世界は、人が滅んでしまった世界のようで……

私達は、ここから出られる事が……いえ、出なくてはなりません。
今日もきっと、主人様が私達を待っているはずですから。

11

人型電子機器-スマートフォンタイプ。
人型電子機器は工場で生産されたのち一定期間『学校』にて様々なことを学ぶが、その過程で性格が元のシリーズから変化するものもいる。
11シリーズは真面目で規律を守るものが多いが、彼女はその傾向が特に強く、『学校』での過程でそうなったのだと推測される。

人型電子機器は持ち主によって服装を変えることも可能だが、彼女と100は本人達の希望で制服のままである。

100

人型電子機器-モバイルバッテリータイプ。
例外もあるが特にスマートフォンタイプ、タブレットタイプをサポートするのが役目で、『学校』でもそのようなことを教えられる。
100シリーズは体力面に不安があるものの、それ以外の要素で補っているのが特徴である。

01

人型電子機器-フリップフォンタイプ。
最近はめっきり見かけなくなった古いシリーズだが、今もまだ正常に働くことができるものもいる。
役割としてはスマートフォンタイプの先駆けなので、電話とは思えぬほど多岐に渡る機能を行う事ができ、また話し相手としても十分。
01シリーズはアンテナがあるのが特徴だが、現在は意味を成していない。